前癌病変とは、将来ガン細胞に悪性変化する可能性を秘めた病変のことを言います。
自覚症状はほとんどなく、他の目的で治療に行った際に発見されるケースがほとんどです。
歯科領域で代表的な前癌病変は白板症、扁平苔癬、紅板症などがあります。
白板症(1番目の写真)は口腔粘膜に生じた、摩擦によって除去できない白色の板状あるいは斑状の角化性病変で角化とは、粘膜が皮膚のように変化しガサガサになるような状態で、まるで足の裏の硬い部分のように厚くなった状態になることを言います。
頬粘膜や歯肉、舌にできやすく、癌化率は4.4〜17,5%と言われています。
扁平苔癬(2番目の写真)は白板症と同様に白色の病変で、舌や唇、頬粘膜などに発生した小さな白斑が徐々に融合して、網状、環状、白斑状になり、さらに白い線状・レース状の白斑を呈する。原因は金属アレルギーやストレス、薬物、細菌やウイルス感染などと考えられているが、はっきりとした原因は不明です。
治療法の中で最も確実な方法は、外科的切除であると考えられています。
また、10年以上(平均5年前後)を経て癌化する症例が存在するため、長期の経過観察が必要です。
立川市
中村歯科医院