昭和30年代に設立した株式会社には、たまに「株式譲渡制限の定めのない会社」があります。それほど大きな会社ではないのに、いわゆる「公開会社」になっています。株主も少なく、株の譲渡につき問題になる事も無かったので公開会社のままで来ているのだと思います。
ただ、平成18年の改正会社法は株式譲渡制限のあるいわゆる「非公開会社」には、機関設計の自由度も増しますし、役員の任期も10年まで延長が可能だったりしますので「株式の譲渡制限の定めの設定」をお奨めしています。
この手続きは定款の変更になりますので、定款全体の見直しもします。その場合、株券発行会社を株券不発行会社に変更する事も一緒にします。その方が今後の色々な手続きがより簡素化できるからです。
この株式の譲渡制限の定めの設定の手続きと、株券を発行する旨の定めの廃止の手続きには、両方等も株券提供公告が必要になります。(会社法第219条第1項、第218条第1項)
しかし、一緒に手続きを進めていく場合、株式譲渡制限の定めの設定の方の公告が不要になる場合があります。会社法第219条第1項で、株券不発行会社は公告は不要となっているからです。株主総会の決議で、株券を発行する旨の定めの廃止の効力発生を条件に、株式譲渡制限の定めの設定の効力が発生するようにすれば、結局、株券不発行会社になっているので株式譲渡制限の定めの設定に必要な株券提供公告は不要という事になります。 |