仕事柄、上場会社から中小企業、法人、実に色々なレベルの会社等の議事録をチェックするわけですが、たまに目から鱗がボロボロ落ち、「おううぅっ!」と思う書類があります。
今回のは、株式会社の解散の株主総会議事録。子会社の議事録を本社法務部が作成して、メールで来たものですが、解散の決議と一緒に定款変更の決議をしていました。
実務では、もう無くなってしまう会社に費用は出来るだけかけないのが通常なので定款変更するなど今まで考えた事もありませんでした。
それも、ご丁寧に、会社の目的を今まで色々な事業が並べられていたものから「当会社は、会社法第2編第9章の定めるところにより精算することを目的とする」と変更していました。機関設計の変更もきちんとしていて、取締役、取締役会の章は削除、会社の代表者は清算人に変更、という、新定款が末尾に付いていました。
会社は解散決議をし、清算人を選任すると清算の目的の範囲内で存続するものと看做され(会社法第476条)、清算人が代表者となります。定款も会社法の適用が当然あるので、変更したものと看做されるものと考えて定款の変更など今まで一度も考えた事も無かった訳ですが、ありですね。これからこういう形で会社をやっていきますという所信表明にはなります。
ただ、目的の変更までしてしまうと当然に目的変更の登記をしなければいけないので、費用が別にかかるのでそれは無しにしましょうという、お話をしました。
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