先日、長尾先生の葬儀がありました。
長尾先生は文学博士で日本大学名誉教授です。
長尾先生とは東京桜門ライオンズクラブで同じメンバーとしてお付き合いさせていただきました。
ライオンズクラブのモットーとして、「上下関係は作らない。」
でも、気が付けば人生の大先輩であり大学の大先輩であり大先生なのでした。
私は暑中見舞い、年賀状にその時々の時事、経済、流行などで気になっている事をいつも書いてきました。
それに、一番の反応を示してくださったのは長尾先生でした。
私の書いた事にお手紙を下さったり、関連する写真を撮って送ってくださったり。ライオンズクラブの例会でひと言、「今年は面白くない。」と仰られた事も。
文学博士の名誉教授がどう反応されるか、プレッシャーでもあり楽しみでもありました。
今年の暑中見舞いには作家の浅田次郎先生のエッセイから「花笑鉄心」という言葉について書きました。長尾先生は聞いた事が無い言葉だったのでその出展を調べられ、オランダ語の辞書に見つけそのコピーを送ってくださいました。でも実はこの言葉は浅田次郎先生の創作なのです。
創作だと書いているそのエッセイをコピーして長尾先生にお渡ししましたが、その感想を伺う前に長尾先生は逝ってしまわれました。
会員名簿のお写真を眺めていると涙がにじみます。
先日までお元気でにこやかにお話をされた方ともう会えないという事。
故人はいつも、時間は無限ではないという事を教えてくれます。
「今」という時間の大切さを教えてくれます。
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