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1、株券発行の定めの廃止の手続き
2、あとがき お薦め情報
【 株券を発行する旨の定款の定めの廃止の手続き 】
◆本年5月1日以降、株式会社の登記簿謄本を取って見た方はいつの間にか登記簿に「株券を発行する旨の定め」 として「当会社の株式については、株券を発行する」と記載されてびっくりしたかもしれません。株券を印刷して発行しなければいけないの?とあわてたかもしれません。
旧商法では株式会社は株券を発行するのが原則で、株券を発行しない会社は定款に「株券不発行の旨」を定め、登記簿にわざわざ「株券不発行の旨」を登記しなければいけませんでした。
本年5月1日施行の新会社法ではその原則が逆転し、「株券不発行」が原則となり、定款に「株券を発行する旨」を定め、その登記をしなければ株券不発行の会社という事になりました。ですから、今、5月1日以降に交付された株式会社の登記簿謄本を見て、株券について何も記載が無ければ「株券不発行」の会社です。
しかし、5月1日以前からある既存の株式会社は「株券を発行する」のが原則の商法の元で設立した会社なので「株券不発行の定め」を登記していない限り、登記所の職権で「株券を発行する旨の定め」が登記されています。
今までも上場会社でもない限り株券を実際に発行する会社はほとんどありませんでした。法律を実情に合わせた変更といえます。また、上場会社の株式でもいずれは株券という紙ではなく振替制度による株式のコンピューター管理を予定しているようです。
◆「当会社の株式については、株券を発行する」と登記されたので実際に株券を発行しなければいけないか?
非公開会社(株式の譲渡制限の規定のある会社)は株主から請求がある時までは、株券を発行しないでいることが出来ます。(会社法第215条第4項)
◆「株券不発行会社」になるにはどうするか?
定款にも株券を発行する旨の定めがあると看做されているので(整備法76条4項)定款を変更して株券を発行する旨の定めの廃止とその登記をしなければいけません。
その手続きは実際に株券を発行している会社と実際には株券を発行していない会社で違います。
◆手続きは以下です。
■ 実際に株券を発行している会社
1、株券を発行する旨の定款の定めの廃止の効力発生日を決定
2、上記効力発生日の2週間前までに公告し、株主及び登録株式質権者に 各別に通知(会社法218条1項)
3、株主総会開催―議案 定款変更 (会社法466条)
4、登記申請
【登記必要書類】
1、株主総会議事録(商業登記法46条)
2、公告をしたことを証する書面(商業登記法63条) *官報、新聞等
3、委任状
■ 実際には株券を発行していない会社
(まったく発行したことが無い会社 株券不所持会社)
1、株券を発行する旨の定款の定めの廃止の効力発生日を決定
2、上記効力発生日の2週間前までに株主及び登録株式質権者に各別に通
知(会社法218条3項)
3、株主総会開催―議案 定款変更 (会社法466条)
4、登記申請
【登記必要書類】
1、株主総会議事録(商業登記法46条)
2、株式の全部について株券を発行していないことを証する書面(商業
登記法63条)
*株主名簿に代取の証明書を綴じて割印
3、委任状
●スムーズに手続きを進める方法
株主総会開催日を効力発生日にして、株主に対する各別の通知は2週間前に株主総会の招集通知に含めて発送する。
実際に株券を発行している会社は、あらかじめ公告手続きを進めて、株主総会開催日には2週間の公告期間が満了しているように設定すると株主総会開催日に効力が発生する。
株主総会開催日の次の日には登記の申請が出来ます。
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